元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
カーテンに閉ざされた薄暗い室内。
…そういえば、今は何時なの?
連れ去られてからどのくらいの時間が経っているのだろう。さっぱり時間がわからない。
時計もないし…。
…せめて、カーテンを開けてみようかしら。
私は、縛られた足で懸命にジャンプをしながら、やっとのことでカーテンまで近づくと、
シャッ
勢いよく、カーテンを開けた。
その瞬間、目に飛び込んできたのは、
「…嘘でしょ?」
大きな窓を塞ぐように打ち付けられた板。
光が入らないように隙間なく塞がれており、これじゃ、ここから外に出るのは無理そうだ。
「…どうして、ここまで」
この部屋から私が逃げられないよう予め準備でもしていたのだろうか。
私は、呆然と窓の前で立ち尽くすことしかできない。
その時だった。
カチャ
部屋の扉の開く音が聞こえ、シャーロットが戻ってきたのかと私は開いていく扉を見つめる。
「…え、なんでここに…あなたが」
しかし、そこに立っていたのは私が予想もしていない人物だったのだ。