元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
家族の中でも、特に父は兄に対し怒り心頭で、顔も見たくないと公言しているし、
母も気にかけてはいるようだが、とりあえず父の目もあるし、そっとしておこうというのが現状だ。
「…アルバート、昨日のパーティーで変わったことや何か気づいた点はなかったか?」
「そうだな…。別段、変わったこともない普通のパーティーだったと思うが、強いて言うなら、エレノアの姿を見つけることができなかったことか?」
「…もしかしたら、エレノア…人目につかないようにしてたのかもな。シャーロット嬢との記事が出たばかりだったし」
「…!!そうか、テラス席にいたのかもしれない。そこまで全ては見て回らなかった」
エレノアの性格を考えると、アメリア男爵令嬢辺りにでも迷惑がかからないようにと、目立たないように立ち回っていたのだろう。