元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


「…あ、あの…私…エレノア様の件を聞きましたの。それで、従姉妹のシャーロット様にもお声掛けをしたら一緒に行ってくださるとのことで…」


口籠りながら、なんとか答えるアメリアは、なぜか先程からチラチラとシャーロットの方を見ながら言葉を紡ぐ。


「そうなんです!エレノアお姉様がいなくなったと聞いて私居ても立っても居られなくて…それに、ノエル様とは新聞記事の件でもお話をさせていただかなくてはと思っておしましたし…」


「…シャーロット嬢との記事のことは既に新聞社に事実無根ということを伝えてある。明日にでも、謝罪文が新聞に載るよう手配は済ませた。君にも迷惑をかけてしまって申し訳ないね」


「…いえ。さすがコックス公爵家、手が早いですわ。感謝致します」


「…それよりも、今は一刻も早くエレノアを見つけることが大事だ。アメリア嬢は、昨日のパーティーで、彼女を見かけなかったかい?それか、今日の訪問は彼女の行方に何か心当たりがあって訪ねてくれたのかな?」


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