元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
従姉妹の過ちを誠意を持って正します
――…バンッ
勢いよく開いたコックス公爵家の客間には、ノエルと、シャーロット、アメリア男爵令嬢の姿があった。
「…エレノア」
驚いた表情のノエルを横目に私はツカツカとある人物のもとに歩み寄る。
そして、
パンッ
と、乾いた音が客間に響いた。
「…っ、お姉様…どうして…?」
そう、私がシャーロットの頬を叩いたのだ。
まさか、私がここに来ることも、叩かれることも予想してはいなかったのだろう。
目を見開いて、私を見つめるシャーロット。
「…どうして、ここにいるかって?それはね…アリスが助けてくれたからよ…」
「…っ」