元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「ノエル様まで…」
オドオドと、居た堪れない様子のアリスに、思わずクスッと笑みが溢れる。
「さぁ、そしたら…とりあえず今回のことは、解決したわけだし、私達も屋敷に戻りましょう。お父様にもルーナにも心配をかけてしまったし…伯父様にも事情を説明しなければいけないわ。馬車の用意をお願いできる?」
「…はい!かしこまりました」
パタパタと、元気よく客間を出ていくアリス。よほど、この空気感が耐え難かったのだろう。
そして、後に残されたのは…
「…ったく、心配したんだけど?それに僕が助けに行く前に自分で解決するって…本当僕の予想の斜め上をいくね、エレノアは」
と、少し不機嫌そうなノエルと
「…あはは。褒めては…ないわよね?」
そんな彼に対し、苦笑いを浮かべる私だけだった。