元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「これくらい平気よ。すぐに治るわ」
ノエルに心配をかけまいと、明るく振る舞う私。
実際、そこまで痛いわけでもないし。傷になってるわけでもないら、数日もすれば消えてしまうはずだ。
そんな私に対して、ノエルは小さく微笑むと、手首に残る痕にそっと、唇を落とす。
…!?
突然のノエルの行動に、私の身体はカチンと固まった。
な、なにを…。
そして、ノエルは続け様に私の耳元に近づくと、
「…嫌だったら抵抗して」
そう呟く。
彼の言葉の意図がわからず、目を丸くして驚く私。
すると、次の瞬間、
「……っん!」
ノエルは私の唇にゆっくり、自身の唇を重ねたのだった。