元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
元婚約者の弟と正式に婚約しました
――――…
「…ったく、ひどいよなぁ。懸命に聞き込みをしていた俺に連絡の1つもよこさないなんてさ」
客間のソファに腰を下ろし、ブツブツと文句を言っているのはアルバートだ。
「だから、悪かったと言ってるだろ…しつこいな」
そして、淡々と言葉を返すのは少し不機嫌そうなノエル。
「全然心こもってないし!なんなら、ちょっと不機嫌そうな態度やめてくんない!?確かに…俺もちょっとタイミング悪かったのは謝るけど」
「…ほんとにな」
「…ノエル!アル、ごめんなさい。私のこと心配して色々動いてくれてありがとね」
イライラを抑えきれないノエルを嗜め、アルバートに私はお礼を述べた。
ちなみに、なぜこんなにもノエルが不機嫌かというと…きっかけは、数十分前に遡る。