元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
数分後、
「エレノアお嬢様、ノエル様、それにアルバート様も…申し訳ありません、取り乱してしまって。お嬢様が誘拐されたと聞いて…本当に生きた心地がしなかったものですから…」
ようやく落ち着きを取り戻したルーナは、私、ノエル、アルバートに向かって深々と頭を下げ、恥ずかしそうに身を竦める。
「いや、エレノアがビクター家の使用人達からどれだけ大事にされてるか、わかったつーか…なぁ、ノエル?」
「あぁ。アリスといい、エレノアの周りには良い使用人たちがいて僕も安心だよ」
「お二方にそう言っていただけてビクター家の使用人の一人として恐縮ですわ」
ふふっと、小さく笑うルーナはどことなく嬉しそうだ。