元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
*番外編1*本当の気持ち ★シャーロットSide
それは、早朝の出来事。
とある屋敷の一室で怒声が響き渡った。
「この恥知らずが!私がどんな思いでお前をここまで育ててきたと思ってる!その恩を仇で返すような真似をして…テイラー子爵家に泥を塗ったようなものだぞ、シャーロット、わかっているのか!!」
顔を真っ赤にして私に怒鳴りつけるのは、実父であるロナルド・テイラー子爵。
そして、そんな父の様子を私、シャーロット・テイラーは冷ややかな目で見つめていた。
あぁ、もう、うるさい…。そんなに声を荒らげなくても聞こえるわよ。
心の中そう毒づき、私は小さくため息をつく。
父は、私の態度が気に入らなかったようで、
「なんだ!その目は!!今回、お前が牢に打ち込まれずにすんだのは誰のおかげだと思ってるんだ!親に苦労ばかりかけないで少しは反省しろ!とにかく、お前はこの部屋から出るのを禁ずる。まったく、私はいい笑いものだ!」
最後に、それだけ言い残すと、バンっと勢いよく扉を閉めて父は部屋を出て行った。