元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
お姉様に感謝こそすれ、嫉妬なんて絶対にありえない。
世間体を考え、自分本位のお父様も、噂話が大好きな使用人たちも、誰も信じられない。昔から、私が信用できたのは、エレノアお姉様だけだったから。
――――…
私がエレノアお姉様と、初めてあったのは3歳の時。
ちょうどその頃、私のお母様が流行り病に倒れ、この世を去ったばかりだった。
「お母様は、どこに行ったの??」
毎日、お母様を恋しがって泣く毎日の中、きっとそんな私にうんざりした父が救いを求めたのが、親戚のビクター伯爵家だった。
「さぁ、シャーロット。今日は従姉妹のお姉さんに会いにいくぞ。お前より2つ歳上だそうだ、年も近いし遊んでもらないさい」
…お姉様?私にお姉様がいるの??
状況はよくわからなかったが、自分に姉という存在がいるのだということに嬉しくなったのをよく覚えている。