元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
*番外編2*ノエルとの出会い★アルバートSide
――――…
「おい、あっち、みてみろよ。エレノア様だ!」
「ほんとだ、いつ見ても本当に綺麗だよな〜。それに、すっごく優しくて…あぁ、お近づきになりたい!」
「バーカ、俺たちみたいな平民じゃ身分違いだって。つか、そもそも…“あの方”が隣にいる限り彼女に近づける男はいないって」
「だよな…」
放課後の教室で、そんな会話をしながら、ハァ…と、ため息をつくのはハリーとマルロ。
アカデミー内でよく一緒にいる俺の友人たちだ。
二人共平民出身ではあるが、アカデミー内での成績も上位に入るし、何より気さくで付き合いやすい。
意気消沈している二人に対し、
「クラスメートなんだから、普通に話しかければいいだろ?そんな気を遣わなくたってさ」
俺は、不思議そうに首を傾げ、そう答えた。
「…ったく、それはお前だから言えるんだろうなぁ。アルバート」
マルロがジトッと、恨みがましい視線を向けると、肩を落とす。