元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「代わりだなんて…!ノエル様が来てくださって嬉しいですわ。さ、こちらにどうぞ。お茶とお菓子の準備ができてますから」
そう言うと、エレノアは満面の笑みを浮かべる。
僕はそんな彼女に促され、素直に後ろをついていくと、案内されやってきたのは、眺めの良いテラス席だった。
「ノエル様、お席にかけてくださいな」
「…あぁ。ありがとう」
テラス席には、綺麗な花が飾られ、色とりどりのお菓子が用意されていた。
きっと、兄のために準備をしたのだろう。
テーブルの上に並べられたお菓子はどれも兄の好物ばかり。きっと、事前に調べ、用意したのだと僕でさえ気がついた。
「あ!ノエル様苦手な食べ物などありますか…?すみません、もし、苦手なものがあれば下げますね」