元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
彼女のそんな姿を見るのは珍しかった。
…友達と話し込んで疲れたのかしら?
少し心配だから家に帰ったらゆっくりするように言おう。
「まぁ、あなたが大丈夫ならいいのよ。そうそう、大変なの!あなたを待っている間誰に会ったと思う!?もうびっくり。とりあえず馬車に戻りましょうか。そこで話すから」
店を出て、私とルーナは目の前にとまっている馬車に乗り込んだ。
そして、
私は先ほどノエルに会った話をルーナに事細かく語り始めたのだった。
「ノエル様、こちらにお戻りになっていたのですね。リアム様とお嬢様との婚約破棄についてはご存知なのかしら?」
首を傾げ、ルーナは呟く。
「どうかしらね。さっきはその話はしなかったの。それよりもよ!何で私とノエルが仲が悪いなんて話になっちゃってるのかしら?こっちはノエルに何通も手紙を送ってるのよ??まぁ、返事はこなかったけどね」
「まぁまぁ、お嬢様。ノエル様も何か事情がおありなのではないですか…??は!!というかお嬢様!早くお屋敷に帰らないとノエル様と行き違いになってしまうんじゃ…」