元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
しかし、
「だめよ、これは決定事項です。はい!今日はお休みだからね?仕事はなしよ?じゃあ、ゆっくりしてちょうだい」
エレノアお嬢様は、そう言い残すと、軽い足取りで私の部屋を後にする。
…そ、そんないきなりお休みって…どうしましょう。
あの後、ルーナさんにも話をしたけれど、エレノアお嬢様の言うとおりにって言われるばかりだし。
そういうわけで、私はしばらく休暇を利用し、実家に帰省することにしたのだが、特にやることもなく、昼近くまで自分の部屋に絶賛引き籠り中というわけだ。
「お母さんも、お父さんももう、畑に、出かけたかしら?私もお手伝いでもしようかな…」
そんなことを考え始めた時だった。
バンッ
私の部屋のドアが勢いよく開く。
「おい!アリス帰ってきてるなら声かけろよな…!」
「…なんだ、トムじゃない、朝からびっくりさせないでよ…」
そこにいたのは、近所に住む幼なじみのトムだった。