元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「何よ……っ!?」
名前を呼ばれ、トムの方に視線を向けた時。
額に、チュッと何かが触れた。
「…スキあり。いつまでも子どもだと思ってんじゃねーぞ。じゃ、またな。仕事頑張れよ」
ニヤッと不適な笑みを浮かべ、トムは、それだけ言い残すと、サッと部屋から出て行ってしまう。
…は!!
ようやく思考が回り始め、我に返った時。
…な、なんなのよ。トムの馬鹿!
ち、違うわよ。これはびっくりしたからだもん。
ドキドキと、高鳴るの鼓動は突然あんなことされたから。
絶対、それだけ…のはず。
急に大人びて見えた年下の幼なじみに振り回され、私は小さく肩を落としたのだった。
*END*