元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「エレノアお姉様!16歳おめでとうございます。お姉様大好きです。どうかお幸せに」
ギュッと私を抱きしめて頬にキスをしてくれたシャーロット。
今は、その可憐な腕で私の婚約者を抱きしめている。
あぁ…こんな光景を見る羽目になるのなら2人の姿が見えなくなったからって庭なんか探しに行かなければよかった。
そう思った瞬間、私の心はギュッと締め付けられる。
もう見ていられない…
私は踵を返し、その場を離れようとした、その時。
ガサッ
ドレスが茂みにひっかかり、大きな音が立つ。
その音に驚いたようにリアムとシャーロットは抱き合っていた体を瞬時に離した。
「…お姉様…」
先に私の姿を捉えたのはシャーロット。
ついで
「エレノア…」
リアムが驚いたように私の名前を呟く。