元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「…っん!ノエル、もうちょっと…ゆっくり…」
「…ハァ…。ごめん、今日はあんまり優しくできないかも」
結局、捕まってしまった私はそのままノエルに抱きかかえられベッドへ。
そして、今に至るのだが…。
勿論、夫婦になったわけだから、これが初めてというわけではない。
なんなら、新婚旅行時が初めてだったのだけれど。
「…やっ、ちょっと…待って…ん!」
いつもより、荒々しいキスに翻弄され、私は既にクタクタだった。
まだ、キスだけなのに…こんなに疲れるなんて…。
はぁはぁと、肩で呼吸をする私を見つめるノエルはいつもよりなんだか余裕がないように見える。
「…ノ、エル?」
「…なんでだろうな。エレノアのこととなると、僕も冷静でいられない。昼間の二人組も、本当にどうしてくれようかって思うほどムカついたし…」
小さくため息を溢し、ベッドに横になるノエル。