元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「…ち、違うんだエレノア。これは…」
何故か慌てて取り繕うリアム。
その横では、私と合わす顔がないのかサッとシャーロットは、リアムの背中に隠れた。
いやいや、先程ばっちり熱い抱擁交わしてるところ見てますから。
先程まで泣きそうだったのに彼の慌てぶりを見ると心がスッと冷めていく。
…私、こんな人を好きだったのね。
私の冷めた視線にようやく気づいたのか、リアムも口を閉ざした。
シャーロットも一向に口を開く気配もなく、しばらくその場に流れる重苦しい空気。
その空気を壊したのは
「…ハァ」
私の小さなため息だった。
ビクッ
私のため息1つに過剰な反応をするシャーロット。
「…2人の気持ちはわかりました。こんなことになる前に言ってくださればよかったのに」