元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「……まぁ、そういうことになるかな」
ノエルは、そう呟くと意地悪く微笑む。
若干、返答までにあった間が気になったが、
うん。ノエルの提案、悪くないかもしれないわ。
だって、リアム様のことが解決したばかりだし、すぐに他の人と婚約だなんて私だって考えられない。
それに、ノエルに婚約者のフリをしてもらえば私にも少しは自由な時間が作れるかもしれないわ。
「…ノエルの言いたいことはわかったわ。確かに私もすぐに他の婚約者をっていうのは考えられないし…私にとっても悪くない話だと思う。……で、あなたが言う期限っていつまでなの?」
ジッと、ノエルの綺麗なグレーの瞳を見つめる。
彼の返答次第ではこの期限付きの婚約を承諾しようと思っていた。