元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
大々的に婚約発表されました
「な、なんなの!?この記事は!?」
静かな部屋に私の声が響き渡った。
「お嬢様、どうされたんですか?そんな青い顔をして…」
私の声に驚いたのだろう慌てて部屋に飛び込んできたのはルーナだ。
「どうしたもこうしたも…これ…」
私は頭を抱えながら先ほどまで目を通していた新聞をルーナに見せる。
「…えーっと、ビクター家のご令嬢エレノア・ビクターへ熱烈アプローチ。初恋を勝ち取ったのはノエル・コックス…あら、まぁ素敵じゃないですかお嬢様!」
ルーナは一瞬、驚いたように目を丸くするが次の瞬間には嬉しそうに目を細めた。
「いやいや。素敵じゃないわ!ちゃんと読んでよルーナ!この記事嘘ばっかりじゃない!?」
兄の婚約者と諦めていたノエルの初恋が実った!
とか
アカデミー時代から想いを寄せていた
とか。
「こ、これじゃ…ノエルが昔から私に片思いしてたみたいじゃない」