元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
…ん?ルーナ…??
人の気配を感じ、私は小さく目を開く。
どのくらい寝ていたのだろう。
数分かあるいは数十分かもしれない。
「ルーナ?お茶の準備できたの…?」
眠い目を擦りながら、ソファから身を起こした私の目の前にいたのは、
「エレノア…おはよう。よく眠れた?」
そう呟いて、柔らかく微笑むノエルだった。
「…え、ノエル…?いつから…」
寝起きで頭が回らない私。
ちょっとまって。私、寝顔見られたの!?
そう思った瞬間、覚醒する。
「ノエル…貴方、ノックした…?というか、ルーナは??」
「勿論。いくら僕の婚約者の部屋でも最低限のマナーは守るよ?返事がなかったから勝手に入らせてもらったけどね。ルーナは、まだ来てないみたいだけど?僕は会ってないし」
シレッとそんなことを言う彼に私は小さくため息をつく。