元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
机に並べられた手紙の山を指差し、私は如何に大変だったのか訴えかけた。
「…なるほど。それで不機嫌そうだったわけね」
「パーティーの招待状だけでも信じられない数よ?それもこれもノエルが…新聞に…は、初恋だの…ようやく想いが実っただの作り話を載せるから…」
なんだか自分で改めて言葉にすると恥ずかしさが倍増した。
そのせいか段々と声も小さくなってしまう。
「……でも、大々的にアピールできただろう?僕達の婚約においてね」
…ノエル?
何故か一瞬、ノエルが寂しそうな表情を浮かべたように見えた。
しかし、それもたった一瞬。
すぐに、いつもの飄々とした笑顔を見せる。
…気の所為かしら?