元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
今まで見たことないような切ない表情に見えたから少し気になった。
声をかけようとした時。
バンッと、大きな音がして扉が開く。
…な、なにごと?
「エレノアお嬢様!先ほどノエル様がいらしゃったと執事から報告が…」
「やぁ、ルーナ。遅かったね?」
慌てた様子のルーナに対し、私の隣のソファにサッと腰掛け、笑顔で手をふるノエル。
ルーナは、そんなノエルを認識すると、ツカツカと、ソファの前に歩み寄る。
「ノエル様!いらっしゃる時はお嬢様の部屋へ行く前に侍女である私に一言声をかけてくださいませ。お嬢様にも準備の時間が必要なんですから」
「悪かったよ。執事に声をかけておいたからいいかなと思って」
…全然、悪いと思ってないわね
口では反省の言葉を述べつつも、態度が伴っていないノエル。
そういえば、アカデミー時代担任の先生にもよくこんな態度とってたわね。