元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

でもって、口達者で成績も優秀だったノエルに対して先生も黙り込んで言い返せなかったのよね。

あの時は、ノエルの口の上手さに圧倒されてたけれど今思うと先生に同情する。

かく言うルーナもノエルに対し、何も言い返せず、黙り込んでしまう始末。

「ルーナ、私は大丈夫。気にかけてくれてありがとう。お茶の用意お願いできるかしら?」

さり気なくフォローしつつ、私は彼女にお茶の用意を頼む。

「はい、お嬢様。只今お持ち致します!」

軽く会釈をし、ササッとお茶の準備を始める彼女を横目に私は隣に座るノエルに、

「ルーナをからかうのやめてちょうだい」

と、耳打ちをした。

すると、何故か意外そうな表情を浮かべたノエル。

「別にからかってるつもりなかったんだけどね…ま、次からは気をつけるよ」

「…それで、どこのパーティーに行くか、ノエルはもう決めてるのでしょう??」

ヒソヒソと、ルーナには聞こえないよう小声で話す私。

用意周到なノエルのことだ今日の突然の訪問にも何か意図があるはずだ。

「…まぁね。そういうわけで、エレノア…早速で悪いけれど、本日18時から僕と一緒に参加してもらいたいパーティーがある」


…え、きょ、今日?


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