元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「ビクター伯爵待ってください。私は…エレノアとの婚約をなかったことにしたくはないのです。エレノアと話し合いの場を頂けないかと…」
チラッと、私を見つめリアムは、食い下がった。
…ありえないわ。
往生際が悪いとはまさにこのこと。
どこからまだ婚約続行のチャンスはあると言う、自信が湧いてくるのか。
いや、おそらくリアムは、気づいてたのだろう。
私が彼のことを本気で好きだったと言うことに。
だから、シャーロットとの浮気ぐらいで問題になることはないと高を括っていたのだろうが…。
一瞬で冷めてしまった恋心はもう修復不可能なのよ。
「悪いが君の意見を聞く必要はない」
お父様、素敵!
ピシャリと、言い放つ父に心の中でガッツポーズをする私。