元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています


「…信じられないわ。ノエルにアル…一体いつから今日のこと計画していたのかしら?」


パーティーが終わり、シンと静まり返った会場内にいるのは、私とノエル、そしてアルバートの3人だけ。

時刻は23時。

数百人はいたであろう招待客は全て帰路についたはずだ。

私は、ノエルとアルバートを交互に見つめ問い詰めた。

「ノエルから連絡があったのは昨日の夜。こっちも急なパーティーの開催で骨が折れたよ。ま、大事な二人のためだし一肌脱がせてもらったけどね」

先に口を開いたのはアルバート。

肩をすくめ、大変だったんだとアピールをしている。

「まぁ、まずは僕らの婚約を周りに認めさせないといけなかったからね。世間からしたら、僕が兄の婚約者を略奪したなんて、言われてもおかしくない状況とタイミングだったから」

続けてノエルがシレッとそう答える。
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