元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
兄の婚約者を略奪って…
確かに世間からはそう見えるかもしれないけれど私にだって一言くらい相談してくれてもよかったんじゃないの!?
彼の口から出た言葉に思わず言い返そうとした私を
「まぁまぁ。事情を知らない人達に色々噂される前にこっちから仕掛けたんだよ、エレノアに言わなかったのは俺もノエルも君に心配させたくなかったから。こういうの1番気にするのエレノアだろう?」
と、諌めたのはアルバート。
私とノエルの間に入り、その場をおさめようと私の肩に手をおいた。
「……それは、そうかもしれないけど……でも、私だって当事者なのだから今度からは黙ってないで話してほしいわ」
真っ直ぐ二人に訴えかけるように私は言葉を紡ぐ。
「…だそうだよ。我らがお姫様は勇敢で困るな」
からかうような口調のアルバートは、何やらとても楽しそう。
そんな彼と対象的にノエルは小さくため息をこぼし、
「……わかった、今度からエレノアに隠し事はしないよ。でも、エレノア。それは君にも言えるからね。何かあれば、僕に1番に相談すること」
と、念を押す。
「…わ、わかったわ」