元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
私は全然比べられても気にしなかったけれど彼女は違ったようだ。
私が新しいドレスを作れば、どこから情報を聞きつけたのか彼女も新しいドレスを新調し。
私がリアム様との婚約が決まったのと同時期に彼女もどこかの家のご子息との縁談が決まったと風の噂で耳にした。
最初は私の考えすぎだと思っていたけれど、どうやら違うようだと気づいたのは私が10歳になったばかりの頃。
「私、エレノア様のことライバルだと思ってますから」
誰かの開いたパーティー会場で、ガーネットからそう宣言された時の衝撃は未だに憶えている。
「…ライバル?」
「そうです。同い年だし、同じ伯爵家の一人娘。何かと私達共通点が多いのです。父からもビクター家のエレノア嬢に遅れをとるなと口を酸っぱくして言われますの」