バスストップ
期末テストまでの日々
あいつの降りるバス停と俺の降りるバス停のちょうど中間ぐらいにその図書館は建っていた。
街の中心から少し離れている大きめの図書館。
もうすぐ夏という感じの空気をギンギンに感じる中、約束の図書館の入り口前の階段に座ってアイツを待っている。
夜中にナイトとオンラインゲームしながらだらだらと喋ってしまい、朝起きるのが遅くて朝昼兼用のごはんを食べてしまったので、少し早めに家を出て約束の13時より随分と早く到着しすぎた。
スマホが鳴り確認すると「イモ」からメッセージ1件と表示されている。
「イモ」は妹(いもうと)の「いも」である。
“食ったら片付けてから行けよ。代わりに片付けさせられただろーが”
口悪い女、キライ。
スタンプだけ返すと、昨夜最後にナイトから送られてきたメッセージに返信しようと画面を変えた。
“ガチャで超激レアあてたー(˶′◡‵˶)”
とスクリーンショットが送られてきている。
「えー、早めに来たつもりがもっと早く来ちゃってんじゃん。」
と、ちょっと遠くから声が聞こえて顔を上げると、ゆるそうなTシャツに制服よりもミニスカートを履いた女が「よっ」とマンガみたいな挨拶をして歩いて来ていた。
俺はよっこいせと立ち上がり、「真夏みたいなカッコしてんね。ちょっと早くない?」と指摘した。
本音は(薄着大歓迎)でもある。
勉強するのに必要なものは昨日連絡したはずだが、今彼女がもっているのはプリントが数枚挟まっていそうなクリアホルダーと3色ペンみたいなの1本だけだ。
昨夜ナイトがゲームしながら
「図書館で勉強なんて、もうデートじゃん。」
と言っていたが、コイツのこのゆるい格好とこのクリアホルダー&ペンの直持ちが、デート?
しかも出会って第一声が
ー先に来ちゃってんじゃんー
って。
普通女子って「ごめんね、待った?」って身をよじるんじゃないの?
さっさと1人で階段を上がっていく彼女を追っていく。
さすが舌打ち女。女子じゃな…パァーーンツっ!
顔を上げて、スカートから太ももが根元まで現れていることに気付いて動揺する。
正しくは、パンツは見えていない。
もう少し段差が広がれば見えるかもしれ……
(いやいや、舌打ち女だぞ)
と自分で自分のデコを叩きたい気分だ。
入り口の自動ドアの前で足をとめ、俺を振り返った。
「本がいっぱいだ。ドキドキする。」
なんで?ドキドキのポイントどこ?
確かに自動ドアの向こう側には本がたくさん並んでいるのが見えている。
「どうしよう、入ったらまず何すればいい?靴脱ぐ?」
ドキドキをしずめるように、両手をそっと胸にあてている。
ただの図書館だぞ。
「レイタ。リードしてね。」
レイタ、リードしてね。なんだその乙女みたいな発言!
突然俺の脳内に音楽のように(レイタ、リードしてね。)がぐりんぐりんと廻り始める。
レイタ、リードしてね
レイタ、リードしてね。
レイタ、リードして……
ぶるぶると頭を振って正気に戻る。
「リードもくそも中入って勉強するだけだっつーの。ほら行くぞ。」
と図書館にのりこんだ。
街の中心から少し離れている大きめの図書館。
もうすぐ夏という感じの空気をギンギンに感じる中、約束の図書館の入り口前の階段に座ってアイツを待っている。
夜中にナイトとオンラインゲームしながらだらだらと喋ってしまい、朝起きるのが遅くて朝昼兼用のごはんを食べてしまったので、少し早めに家を出て約束の13時より随分と早く到着しすぎた。
スマホが鳴り確認すると「イモ」からメッセージ1件と表示されている。
「イモ」は妹(いもうと)の「いも」である。
“食ったら片付けてから行けよ。代わりに片付けさせられただろーが”
口悪い女、キライ。
スタンプだけ返すと、昨夜最後にナイトから送られてきたメッセージに返信しようと画面を変えた。
“ガチャで超激レアあてたー(˶′◡‵˶)”
とスクリーンショットが送られてきている。
「えー、早めに来たつもりがもっと早く来ちゃってんじゃん。」
と、ちょっと遠くから声が聞こえて顔を上げると、ゆるそうなTシャツに制服よりもミニスカートを履いた女が「よっ」とマンガみたいな挨拶をして歩いて来ていた。
俺はよっこいせと立ち上がり、「真夏みたいなカッコしてんね。ちょっと早くない?」と指摘した。
本音は(薄着大歓迎)でもある。
勉強するのに必要なものは昨日連絡したはずだが、今彼女がもっているのはプリントが数枚挟まっていそうなクリアホルダーと3色ペンみたいなの1本だけだ。
昨夜ナイトがゲームしながら
「図書館で勉強なんて、もうデートじゃん。」
と言っていたが、コイツのこのゆるい格好とこのクリアホルダー&ペンの直持ちが、デート?
しかも出会って第一声が
ー先に来ちゃってんじゃんー
って。
普通女子って「ごめんね、待った?」って身をよじるんじゃないの?
さっさと1人で階段を上がっていく彼女を追っていく。
さすが舌打ち女。女子じゃな…パァーーンツっ!
顔を上げて、スカートから太ももが根元まで現れていることに気付いて動揺する。
正しくは、パンツは見えていない。
もう少し段差が広がれば見えるかもしれ……
(いやいや、舌打ち女だぞ)
と自分で自分のデコを叩きたい気分だ。
入り口の自動ドアの前で足をとめ、俺を振り返った。
「本がいっぱいだ。ドキドキする。」
なんで?ドキドキのポイントどこ?
確かに自動ドアの向こう側には本がたくさん並んでいるのが見えている。
「どうしよう、入ったらまず何すればいい?靴脱ぐ?」
ドキドキをしずめるように、両手をそっと胸にあてている。
ただの図書館だぞ。
「レイタ。リードしてね。」
レイタ、リードしてね。なんだその乙女みたいな発言!
突然俺の脳内に音楽のように(レイタ、リードしてね。)がぐりんぐりんと廻り始める。
レイタ、リードしてね
レイタ、リードしてね。
レイタ、リードして……
ぶるぶると頭を振って正気に戻る。
「リードもくそも中入って勉強するだけだっつーの。ほら行くぞ。」
と図書館にのりこんだ。