君の胃袋を掴む
まあ、私には関係ない。
修羅場は終わったのだから、さっさとプリントを取って帰ろう。
何の気もなしにガラガラと扉を開けた。
暗い。電気をつけると、パッと教室内が照らされる。
その中に、未だ佇む気配を感じ、後悔した。
女子しか出てきてないのだから、男子が残っているに決まっている。
視線は向けずに、私は自分の机に近付く。
男子の横を通り過ぎ、その後ろの机へ。
「小梅ちゃん」
藤田雅宗。クラスの中でも男女分け隔てなく接するので、ちゃらんぽらんな割に広く好かれている、ように見える。
私はプリントを見つけて顔を上げた。