君の胃袋を掴む
ゴロゴロ、ズドーン。
雷が落ちたのでは、と思えたほどの驚き様。
思わず窓の外を見てしまったくらいだ。
「なにこれ」
もぐもぐと咀嚼しながら雅宗は言う。
「え、待って。これ超うまいんだけど」
私は背中を背もたれにつけた。
「なに、何か入ってんの? 薬とか? 中毒になるやつ? めちゃくちゃうまい。もしかして小梅ちゃん、前世で僕の料理人だったりして」
さっきまで修羅場だったのに。
「……何言ってんの」
溜息を吐きながら、口から出たのはそれだった。
「絶対違う」
「そうかな?」
「料理なんて、科学だし」