君の胃袋を掴む

「いやきっと、小梅ちゃんの料理が僕の舌に合ってるんだと思う」
「どこの王子様だよ君は」
「現世で僕の専属の料理人になって」
「他の料理人を当たってください」

タッパーを鞄にしまった。

立ち上がると、雅宗も同じように立ち上がった。私が教室を出ると、電気を消して同じように教室を出る。

「なに?」
「なにって帰るんだよ? 小梅ちゃんどっか行くの?」
「私は帰るけど、君は女子追いかけなくて良いの?」
「女子……? あ」

信じられない。
あんなに罵られていたのに忘れていたらしい。

それともカップケーキを食べて忘れてしまったのか。

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