君の胃袋を掴む
何にしろ、鋼のメンタルなのか愚鈍な心臓なのか分からない。友人たちが「雅宗さー、その内後ろから刺されるんじゃない?」と笑っていたけれど、それは笑い事ではないのかもしれない。
まあ誰にだって、明日死ぬ可能性はあるけれど。
「まあ良いでしょ、電話でたの妹だって言っても信じてくんなかったし」
「雅宗って妹いるの?」
「ううん、いない」
クズだ、こいつ。明日死んでもおかしくない。
「一緒にいた女の子が勝手に出て、それで怒ってた」
「絵に描いたようなシチュエーションだ……」
もう後は火を点けるだけですよ、と言わんばかりの。