君の胃袋を掴む
違う、と首を振る。
うん? と雅宗が首を傾げる。
「雅宗、朝ご飯作れるの? パン焼いてくれるってこと?」
トースターにセットするみたいな。
「ちゃんとハムエッグか卵焼きか作るよ」
「料理、できるの?」
「人並みには?」
「もしかして、冷蔵庫の食材ちょっと無くなってたりしてたのって」
「僕以外に使わないでしょ。来た子がここで飯食うことないし」
当たり前のように言われ、ついに私は頭を抱えた。
それも、そうな気がする。確かに食材が減ることや調理器具が移動することがあっても、何かが増えることは決して無かった。