君の胃袋を掴む
人にご飯を作ってもらうなんて久しぶりだ。結構、かなり、感動する。
「おいしそう」
「召し上がれ」
「いただきます」
コンソメスープを一口飲む。
雷に打たれたような衝撃が走った。
「これ、何入ってるの? おいしい」
「しなしなになった野菜とかコンソメの素だよ」
「すごく美味しい。雅宗、料理できるなら私が作らなくても良かったんじゃない?」
右の面に座った雅宗が頬杖をついてこちらを見ている。
「小梅ちゃんが作るのが一番美味しいから」
さらりとそう言って、自分もパンを囓った。
それから閃いたようにこちらを見る。