君の胃袋を掴む
「じゃあさ一緒に棲む? ここからでも大学近いよね? 小梅ちゃんがバイトの日は迎えにも行けるし」
「え」
「僕も小梅ちゃんの料理毎日食べられるし、小梅ちゃんもいつだって僕の料理食べられるし、洗濯掃除はしなくて良いよ!」
あと家賃も浮く、と付け加えられた。
それは全て魅力的なお誘いではあるけれど。
「それに、僕が他の女連れ込むかどうか一番手っ取り早く分かると思うよ」
目を細めて、試すように。
その睫毛の長いことにやはり苛つき、その頬をぎゅっと抓む。
「いひゃい」
「信じる者は救われる、じゃないの?」
頬から指を離した。