君の胃袋を掴む
雅宗は頬を擦りながら私を見る。
「雅宗って、私のことも信じてないよね。さっきも同期埋めるって言ってたし」
「ほ、本当に埋めたりはしないよ?」
「当たり前でしょ……」
焦るところが違う。
「小梅ちゃんのことは信じてるけど、僕が自分を信用できないっていうか」
スープにスプーンを沈めたり掬ったりをしながら、続けた。
「面倒くさいっていうのは、自分でも分かってるんだけどさ」
あはは、と乾いた笑いを漏らす。私はそれに笑えなくて、沈黙が降りた。
「え、嫌いになった? 僕のこと嫌いになった?」
慌てて尋ねる雅宗にため息を吐く。