君の胃袋を掴む

「味覚がそこまで合う人には出会えないって」
「僕もそう思う! だから結婚する予定だって伝えといて!」
「いや気が早いでしょ」

苦笑いする小梅ちゃんは、それほど嫌そうな顔もしていなくて、安堵する。

その腕を絡んで引き寄せる。耳にキスをすると、驚いたように仰け反った。

「ここ外!」
「小梅ちゃんが可愛くてさ……産んでくれたお実母さんに感謝」
「はいはい。うちのお母さんの料理の方が口に合ってるかもよ」
「それはないとも言い切れないけど。僕が好きなのは小梅ちゃんだけ」

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