大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
そして雄朝津間皇子はいよいよ瑞歯別大王と対面した。だが彼の大王に対する不満がかなりあった為、彼の態度は明らかに悪かった。
「で、兄上。何の話しがあるんだ」
雄朝津間皇子はブスッとしながら大王の前に座った。
「雄朝津間、お前相当拗ねてるみたいだな」
瑞歯別大王は少し愉快そうにしながら彼に言った。恐らく勝手に忍坂姫の婚姻を無かった事にしたから、それで怒っているのだろう。
「お前も、俺がここに来た理由は分かっているだろう?今日はその話しをする為にわざわざ来たんだ」
雄朝津間皇子からしてみれば、大王は全てお見通しと言うのがどうもしゃくにさわるが、とりあえずここは彼の話しを聞いてみるほか無かった。
「じゃぁ、その話しを早く聞かせろよ。宮に戻ったら彼女はいなくなっているわ、婚姻が無かった事になってるわで、何が何だかさっぱりだ」
(これじゃあ、まるで拗ねた小さい子供のようだ)
瑞歯別大王はそんな雄朝津間皇子を見てそう思った。
「分かった。では順を追って説明する。まず前回彼女が丹比柴籬宮に来た時に、今回の婚姻に関する返事を聞いた。
すると彼女は今回の婚姻は無かった事にして欲しいと言ってきた。
その理由は、お前をずっと好きでいられる自信がないとの事だ。そしてそれ以上の事は言えないとも言っていた」
それを聞いた雄朝津間皇子は思った。
やっぱりあの彼女だ。自分との婚姻を断った理由がいまいち良く分からない。
「何んだ、その理由は?しかもそれ以上は言えないって」
彼はその場で思わずため息をついた。
「お前とも仲良くやっているように見えたし、てっきり彼女もお前を好いているとばかり思ってた。だがその後泣き出した彼女を見てそれ以上はよう言えなかったよ」
「まぁ、彼女らしいと言えば、それまでだけど」
一体彼女の頭の中では何が起こっていたのだろう。何か心配事があるなら、自分に相談してくれれば良かったのに。
「で、その後なんだが。これはその時に聞けなかったので、翌日聞いた話だ。この婚姻の件はどうやってお前に話そうかという事になった。
彼女もとても辛そうだったから、彼女にはお前が宮に戻る前に、自分の宮に帰ってもらう事にしたんだ。お前には俺が説明すると言ってな」
そこまで聞いて、とりあえずこれまでの経緯は理解出来た。であればもう少し早く知らせに来て欲しかったとも思った。だが相手は大王なので、彼も色々と忙しかったのだろう。
ただ2週間経って自分もだいぶ落ち着いたので、ある意味では今日で良かったかもしれない。
「で、兄上。何の話しがあるんだ」
雄朝津間皇子はブスッとしながら大王の前に座った。
「雄朝津間、お前相当拗ねてるみたいだな」
瑞歯別大王は少し愉快そうにしながら彼に言った。恐らく勝手に忍坂姫の婚姻を無かった事にしたから、それで怒っているのだろう。
「お前も、俺がここに来た理由は分かっているだろう?今日はその話しをする為にわざわざ来たんだ」
雄朝津間皇子からしてみれば、大王は全てお見通しと言うのがどうもしゃくにさわるが、とりあえずここは彼の話しを聞いてみるほか無かった。
「じゃぁ、その話しを早く聞かせろよ。宮に戻ったら彼女はいなくなっているわ、婚姻が無かった事になってるわで、何が何だかさっぱりだ」
(これじゃあ、まるで拗ねた小さい子供のようだ)
瑞歯別大王はそんな雄朝津間皇子を見てそう思った。
「分かった。では順を追って説明する。まず前回彼女が丹比柴籬宮に来た時に、今回の婚姻に関する返事を聞いた。
すると彼女は今回の婚姻は無かった事にして欲しいと言ってきた。
その理由は、お前をずっと好きでいられる自信がないとの事だ。そしてそれ以上の事は言えないとも言っていた」
それを聞いた雄朝津間皇子は思った。
やっぱりあの彼女だ。自分との婚姻を断った理由がいまいち良く分からない。
「何んだ、その理由は?しかもそれ以上は言えないって」
彼はその場で思わずため息をついた。
「お前とも仲良くやっているように見えたし、てっきり彼女もお前を好いているとばかり思ってた。だがその後泣き出した彼女を見てそれ以上はよう言えなかったよ」
「まぁ、彼女らしいと言えば、それまでだけど」
一体彼女の頭の中では何が起こっていたのだろう。何か心配事があるなら、自分に相談してくれれば良かったのに。
「で、その後なんだが。これはその時に聞けなかったので、翌日聞いた話だ。この婚姻の件はどうやってお前に話そうかという事になった。
彼女もとても辛そうだったから、彼女にはお前が宮に戻る前に、自分の宮に帰ってもらう事にしたんだ。お前には俺が説明すると言ってな」
そこまで聞いて、とりあえずこれまでの経緯は理解出来た。であればもう少し早く知らせに来て欲しかったとも思った。だが相手は大王なので、彼も色々と忙しかったのだろう。
ただ2週間経って自分もだいぶ落ち着いたので、ある意味では今日で良かったかもしれない。