大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
「はい、大王も雄朝津間皇子の戻りに合わせてお越しになるそうです。受け入れに関しても、今この宮にいるもの達で対応は出来ると思います」
伊代乃にそう言われて、忍坂姫は安心した。でも桜を見にわざわざ来られるとは、大王も何とも面白い人だなと彼女は思った。
(瑞歯別大王と言えば、昔しは残忍な人と噂されてる時期もあったそうだけど、今はとても温厚な方と聞いているわ。
それにとても綺麗で凛々しく、とても人気があると息長でも噂されていた)
そんな瑞歯別大王に初めて会えると言う事で、忍坂姫も何だかとても楽しみになってきた。
(元々この宮での1ヶ月の滞在を提案したのは大王だったし、そのお礼も一応は言わないとね)
忍坂姫が伊代乃と丁度そんな会話をしていると、どうやら市辺皇子が宮に戻ってきたようだ。
「あれ、忍坂姫なに話してるの?」
市辺皇子は忍坂姫を見つけると、彼女の元にトコトコと走ってきた。
そしてそんな市辺皇子を忍坂姫は優しく受け止めた。
「市辺皇子、お帰りなさい。実ね、今度大王がこっちに来る事になったそうよ」
忍坂姫は市辺皇子の頭を撫でながら彼に言った。市辺皇子からすれば、今の大王は雄朝津間皇子同様に叔父に当たる人だ。
ちなみに忍坂姫から見れば、大王は雄朝津間皇子同様に従兄弟同士の関係になる。
「えぇ~大王が来るの?」
市辺皇子も急な大王の訪問に、ちょっと驚いているみたいだ。
「何でも、皆で桜を見に行くそうよ。市辺皇子も一緒に見に行く?」
それを聞いた市辺皇子は凄く嬉しそうにした。どうも宮の外に出掛けるのは割りと好きみたいだ。
「わぁーい。僕も行く!行く!」
市辺皇子はその場で、急に彼女の周りをグルグルと回って凄い喜んだ。
昨日の雄朝津間皇子との事で落ち込んでいた忍坂姫だったが、少し元気が出てきた。
それに桜の件も、市辺皇子が側にいるならそれなりに楽しめそうだと思った。
「じゃあ、そうしましょう。それと皇子も戻って来た事だし、軽く菓子でも食べようと思うの。伊代乃準備してもらって良いかしら」
市辺皇子も丁度お腹が空いてきたみたいで、早く早くとせがんだ。
そんな市辺皇子を見て、伊代乃も少しクスクスと笑った。
「分かりました。ではこれから急いで準備しますね」
それから忍坂姫は、市辺皇子の手をつないで部屋の方へと向かった。
(雄朝津間皇子とはまだ気まずいままだから、何とか様子を見て仲直り出来ると良いんだけど。でも皇子まだ怒ってるでしょうね)
忍坂姫はそんな不安を抱えながら、大王の訪問を待つ事にした。
伊代乃にそう言われて、忍坂姫は安心した。でも桜を見にわざわざ来られるとは、大王も何とも面白い人だなと彼女は思った。
(瑞歯別大王と言えば、昔しは残忍な人と噂されてる時期もあったそうだけど、今はとても温厚な方と聞いているわ。
それにとても綺麗で凛々しく、とても人気があると息長でも噂されていた)
そんな瑞歯別大王に初めて会えると言う事で、忍坂姫も何だかとても楽しみになってきた。
(元々この宮での1ヶ月の滞在を提案したのは大王だったし、そのお礼も一応は言わないとね)
忍坂姫が伊代乃と丁度そんな会話をしていると、どうやら市辺皇子が宮に戻ってきたようだ。
「あれ、忍坂姫なに話してるの?」
市辺皇子は忍坂姫を見つけると、彼女の元にトコトコと走ってきた。
そしてそんな市辺皇子を忍坂姫は優しく受け止めた。
「市辺皇子、お帰りなさい。実ね、今度大王がこっちに来る事になったそうよ」
忍坂姫は市辺皇子の頭を撫でながら彼に言った。市辺皇子からすれば、今の大王は雄朝津間皇子同様に叔父に当たる人だ。
ちなみに忍坂姫から見れば、大王は雄朝津間皇子同様に従兄弟同士の関係になる。
「えぇ~大王が来るの?」
市辺皇子も急な大王の訪問に、ちょっと驚いているみたいだ。
「何でも、皆で桜を見に行くそうよ。市辺皇子も一緒に見に行く?」
それを聞いた市辺皇子は凄く嬉しそうにした。どうも宮の外に出掛けるのは割りと好きみたいだ。
「わぁーい。僕も行く!行く!」
市辺皇子はその場で、急に彼女の周りをグルグルと回って凄い喜んだ。
昨日の雄朝津間皇子との事で落ち込んでいた忍坂姫だったが、少し元気が出てきた。
それに桜の件も、市辺皇子が側にいるならそれなりに楽しめそうだと思った。
「じゃあ、そうしましょう。それと皇子も戻って来た事だし、軽く菓子でも食べようと思うの。伊代乃準備してもらって良いかしら」
市辺皇子も丁度お腹が空いてきたみたいで、早く早くとせがんだ。
そんな市辺皇子を見て、伊代乃も少しクスクスと笑った。
「分かりました。ではこれから急いで準備しますね」
それから忍坂姫は、市辺皇子の手をつないで部屋の方へと向かった。
(雄朝津間皇子とはまだ気まずいままだから、何とか様子を見て仲直り出来ると良いんだけど。でも皇子まだ怒ってるでしょうね)
忍坂姫はそんな不安を抱えながら、大王の訪問を待つ事にした。