大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
そして徒歩で向かった忍坂姫達は、やっとの事で、雄朝津間皇子達のいる場所まで辿り着いた。
(そう言えば、私大王とは初めてお会いするのよね。上手く挨拶出来れば良いけれど)
忍坂姫は、今まで噂でしか聞いた事のない瑞歯別大王に会えるとの事で、少しだけ緊張していた。
彼女がふと遠くを見ると、雄朝津間皇子を発見した。そしてそのとなりには見知らぬ男性がいた。かなり身なりの良い服装を着ており、身長も雄朝津間皇子よりも少しだけ高かった。
忍坂姫の手を繋いで一緒に歩いていた市辺皇子は、その男性を見て言った。
「あ、大王が来てる!」
それを聞いた忍坂姫はさらに緊張してきた。
(あ、あの人が瑞歯別大王……)
するとそんな2人に雄朝津間皇子が気付いたらしく、こっちに来るよう手で振った。
そして忍坂姫と市辺皇子は瑞歯別大王の前までやって来た。
「大王、お久しぶりです」
市辺皇子はそう大王に挨拶した。
「あぁ、市辺。久しぶりだな、元気にしてたか」
そう言って彼は市辺皇子の頭を軽く撫でてやった。市辺皇子も大王に撫でられてご機嫌のようだ。
そして瑞歯別大王は、今度は忍坂姫の方を見た。
「雄朝津間、この子が忍坂姫か」
瑞歯別大王は横にいる雄朝津間皇子に聞いた。瑞歯別大王自身も忍坂姫と直接会うのは初めてだった。
雄朝津間皇子と忍坂姫が昔1回会った時の事は聞いていたが、その時、瑞歯別大王はその場にはいなかったのだ。
「あぁ、そうだよ」
雄朝津間皇子は、ボソッと言った。
彼女が思うに、何故か彼は少し面倒臭そうな表情をしていた。
「瑞歯別大王、どうも始めまして。稚野毛皇子の娘の忍坂姫です。この度はお会い出来てとても光栄です」
そう言って忍坂姫は軽く頭を下げた。
「いやいや、こちらこそ。今回は宮までこさせる形になって本当に済まない。雄朝津間皇子の相手は何かと大変だろう」
瑞歯別大王はとても気さくに忍坂姫に話しかけてきた。
「いえ、そんな滅相もない。雄朝津間皇子には色々とお世話になってます……」
忍坂姫はそう言うと、初めて瑞歯別大王をまじまじと見た。
彼は背も高くてとても凛々しい。そして何より本当に綺麗な顔立ちをしていた。これは年頃の娘達が騒ぎ立てる訳だ。
(これは噂以上だわ......なんて素敵な方なんでしょう。何かドキドキしてくる)
そんな瑞歯別大王を目の前にして、忍坂姫もすっかり彼に見入ってしまった。
雄朝津間皇子はそんな彼女の状態に気が付いたみたいで、少しため息をついた。
(やっぱりな。この子が兄上を見たら何かこうなるような気がしてたんだよ)
(そう言えば、私大王とは初めてお会いするのよね。上手く挨拶出来れば良いけれど)
忍坂姫は、今まで噂でしか聞いた事のない瑞歯別大王に会えるとの事で、少しだけ緊張していた。
彼女がふと遠くを見ると、雄朝津間皇子を発見した。そしてそのとなりには見知らぬ男性がいた。かなり身なりの良い服装を着ており、身長も雄朝津間皇子よりも少しだけ高かった。
忍坂姫の手を繋いで一緒に歩いていた市辺皇子は、その男性を見て言った。
「あ、大王が来てる!」
それを聞いた忍坂姫はさらに緊張してきた。
(あ、あの人が瑞歯別大王……)
するとそんな2人に雄朝津間皇子が気付いたらしく、こっちに来るよう手で振った。
そして忍坂姫と市辺皇子は瑞歯別大王の前までやって来た。
「大王、お久しぶりです」
市辺皇子はそう大王に挨拶した。
「あぁ、市辺。久しぶりだな、元気にしてたか」
そう言って彼は市辺皇子の頭を軽く撫でてやった。市辺皇子も大王に撫でられてご機嫌のようだ。
そして瑞歯別大王は、今度は忍坂姫の方を見た。
「雄朝津間、この子が忍坂姫か」
瑞歯別大王は横にいる雄朝津間皇子に聞いた。瑞歯別大王自身も忍坂姫と直接会うのは初めてだった。
雄朝津間皇子と忍坂姫が昔1回会った時の事は聞いていたが、その時、瑞歯別大王はその場にはいなかったのだ。
「あぁ、そうだよ」
雄朝津間皇子は、ボソッと言った。
彼女が思うに、何故か彼は少し面倒臭そうな表情をしていた。
「瑞歯別大王、どうも始めまして。稚野毛皇子の娘の忍坂姫です。この度はお会い出来てとても光栄です」
そう言って忍坂姫は軽く頭を下げた。
「いやいや、こちらこそ。今回は宮までこさせる形になって本当に済まない。雄朝津間皇子の相手は何かと大変だろう」
瑞歯別大王はとても気さくに忍坂姫に話しかけてきた。
「いえ、そんな滅相もない。雄朝津間皇子には色々とお世話になってます……」
忍坂姫はそう言うと、初めて瑞歯別大王をまじまじと見た。
彼は背も高くてとても凛々しい。そして何より本当に綺麗な顔立ちをしていた。これは年頃の娘達が騒ぎ立てる訳だ。
(これは噂以上だわ......なんて素敵な方なんでしょう。何かドキドキしてくる)
そんな瑞歯別大王を目の前にして、忍坂姫もすっかり彼に見入ってしまった。
雄朝津間皇子はそんな彼女の状態に気が付いたみたいで、少しため息をついた。
(やっぱりな。この子が兄上を見たら何かこうなるような気がしてたんだよ)