大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
「うーん、そうですね。あの子には誰が良いのかしら」
百師木姫も夫と一緒になって考え出した。
「和珥に葛城、蘇我、物部……私も他の豪族は余り知らないので」
百師木姫自身、息長で大事に育てられてきた姫で、彼女は他の豪族との交流は無いに等しい。
「そう言えば、葛城から皇族に嫁がれた磐之媛は、確か皇子を4人産んでましたよね。確かもう1人皇子がいたはず」
「うん、磐之媛?そうか、その手があったか!」
稚野毛皇子は思い出した、磐之媛が産んだ末の皇子の事を。
今の瑞歯別大王の弟に当たる雄朝津間皇子がいたのだ。
「私の計算では、雄朝津間皇子は今年18歳になられてるはずだ。だが妃を娶ったと言う話しは聞いていない。
今の大王は皇子の頃から政り事に携わっていたが、雄朝津間皇子は表向きには政り事に余り携わってないから、すっかり忘れていた」
「そうですわね。忍坂姫とは従兄弟同士でも、2人は幼少期の頃しか会わせてなかったので、逆に新鮮かもしれません」
百師木姫も雄朝津間皇子が相手というのは、身分的にも釣り合っているので、娘の嫁ぎ先としては申し分ないと思った。
「よし、では早速瑞歯別大王にお伺いを立ててみるか」
稚野毛皇子の中でも、雄朝津間皇子で考えがまとまった。
となると、他の姫に先を越されないよう、急いで話しを持ち掛けたい。
「でも、皇子。まずは忍坂姫にも言わないと」
百師木姫は今にも動き出しそうとする夫を止めて言った。
この婚姻は娘の忍坂姫のものだ。彼女の意思も聞かずに進めるのは流石に母親として忍びない。
「ただこの話しをしても、あの子が素直に動じるだろうか?」
この時代、族同士の政略結婚なんてものは、当たり前に行われていた。
皇族の娘である忍坂姫も例外ではない。
「分かりました皇子。忍坂姫には私か言います。それで良いですね」
妻である百師木姫にそう言われ、稚野毛皇子も渋々了承した。
百師木姫も夫と一緒になって考え出した。
「和珥に葛城、蘇我、物部……私も他の豪族は余り知らないので」
百師木姫自身、息長で大事に育てられてきた姫で、彼女は他の豪族との交流は無いに等しい。
「そう言えば、葛城から皇族に嫁がれた磐之媛は、確か皇子を4人産んでましたよね。確かもう1人皇子がいたはず」
「うん、磐之媛?そうか、その手があったか!」
稚野毛皇子は思い出した、磐之媛が産んだ末の皇子の事を。
今の瑞歯別大王の弟に当たる雄朝津間皇子がいたのだ。
「私の計算では、雄朝津間皇子は今年18歳になられてるはずだ。だが妃を娶ったと言う話しは聞いていない。
今の大王は皇子の頃から政り事に携わっていたが、雄朝津間皇子は表向きには政り事に余り携わってないから、すっかり忘れていた」
「そうですわね。忍坂姫とは従兄弟同士でも、2人は幼少期の頃しか会わせてなかったので、逆に新鮮かもしれません」
百師木姫も雄朝津間皇子が相手というのは、身分的にも釣り合っているので、娘の嫁ぎ先としては申し分ないと思った。
「よし、では早速瑞歯別大王にお伺いを立ててみるか」
稚野毛皇子の中でも、雄朝津間皇子で考えがまとまった。
となると、他の姫に先を越されないよう、急いで話しを持ち掛けたい。
「でも、皇子。まずは忍坂姫にも言わないと」
百師木姫は今にも動き出しそうとする夫を止めて言った。
この婚姻は娘の忍坂姫のものだ。彼女の意思も聞かずに進めるのは流石に母親として忍びない。
「ただこの話しをしても、あの子が素直に動じるだろうか?」
この時代、族同士の政略結婚なんてものは、当たり前に行われていた。
皇族の娘である忍坂姫も例外ではない。
「分かりました皇子。忍坂姫には私か言います。それで良いですね」
妻である百師木姫にそう言われ、稚野毛皇子も渋々了承した。