大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
村娘の千佐名の心配
今日忍坂姫は、雄朝津間皇子と市辺皇子と一緒に夕食をとっていた。
市辺皇子は日中も一緒にとる事があるが、雄朝津間皇子は日中はいない事が多く、夕食時のみである。
「ねぇ、忍坂姫。今日聞いたんだけど、忍坂姫がここにいるのは、あともうちょっとだけなんだよね?」
どうも市辺皇子が、今日宮の使用人から聞いたようだ。
この宮で彼女が最近暮らすようになったので、てっきり彼女はずっとこの宮にいるものと思っていたみたいだった。
「そうね、その後は元々住んでいた所に帰る予定になっているわ。でもこの宮から歩いてもそこまで距離がかかる所じゃないから、市辺皇子も私の所にはすぐに来れるわよ」
市辺皇子はそれを聞いて、ちょっと安心したみたいだった。
「そっか~それなら良いかな。じゃあその時は、誰かに連れて行ってもらうよ」
忍坂姫としても、市辺皇子とそれ以降会えなくなるのは、少し寂しいと思った。
だが頻繁にと言う訳には行かないが、自分からこの宮に遊びに来る事も可能ではある。
だがそんな話しを聞いて、忍坂姫と雄朝津間皇子の2人の場合は、少し状況が異なる。
(瑞歯別大王は、もう少し様子を見て欲しいと言っていたけれど、私と皇子はその後も特に何も無いし……)
皇子はこの事について特に何も思わないのだろうか。
忍坂姫が彼を見ると、普段とかわらずに食事をとっている。
(先日大王にも話したけど、確かに最近皇子が少し変わってきたような気はしている。でもだからといって、何か特別進展があった訳でもないのよね)
「忍坂姫、どうかしたか?」
雄朝津間皇子は、彼女が少し元気が無いように思えた。
「いいえ、雄朝津間皇子。何でもありませんよ」
忍坂姫は何とか笑顔を作って、彼に言った。
先日の桜見物から宮に帰ってきた時、雄朝津間皇子はそのまま一人で、自分の部屋に戻って行った。
それ以降2人は特に話しをする事もなく、今の夕食に至っている。
そんな感じの為、進展する要素はまるで感じられない。
(私ももっと何か努力をした方が良いのかしら。元々皇子の場合は、女性の方から言い寄られる事が多かったらしく、自分の方から動く事は余りしなかったのかもしれない)
とは言っても、忍坂姫も今まで同年代の異性と親しくするなんて事は、そんなに多くはなかった。
だから、その辺の微妙な男女のやり取りの事は余り良く分かっていない。
とりあえず、今日は早いところ食事を済ませて横になろう。
彼女はそう思う事にした。
市辺皇子は日中も一緒にとる事があるが、雄朝津間皇子は日中はいない事が多く、夕食時のみである。
「ねぇ、忍坂姫。今日聞いたんだけど、忍坂姫がここにいるのは、あともうちょっとだけなんだよね?」
どうも市辺皇子が、今日宮の使用人から聞いたようだ。
この宮で彼女が最近暮らすようになったので、てっきり彼女はずっとこの宮にいるものと思っていたみたいだった。
「そうね、その後は元々住んでいた所に帰る予定になっているわ。でもこの宮から歩いてもそこまで距離がかかる所じゃないから、市辺皇子も私の所にはすぐに来れるわよ」
市辺皇子はそれを聞いて、ちょっと安心したみたいだった。
「そっか~それなら良いかな。じゃあその時は、誰かに連れて行ってもらうよ」
忍坂姫としても、市辺皇子とそれ以降会えなくなるのは、少し寂しいと思った。
だが頻繁にと言う訳には行かないが、自分からこの宮に遊びに来る事も可能ではある。
だがそんな話しを聞いて、忍坂姫と雄朝津間皇子の2人の場合は、少し状況が異なる。
(瑞歯別大王は、もう少し様子を見て欲しいと言っていたけれど、私と皇子はその後も特に何も無いし……)
皇子はこの事について特に何も思わないのだろうか。
忍坂姫が彼を見ると、普段とかわらずに食事をとっている。
(先日大王にも話したけど、確かに最近皇子が少し変わってきたような気はしている。でもだからといって、何か特別進展があった訳でもないのよね)
「忍坂姫、どうかしたか?」
雄朝津間皇子は、彼女が少し元気が無いように思えた。
「いいえ、雄朝津間皇子。何でもありませんよ」
忍坂姫は何とか笑顔を作って、彼に言った。
先日の桜見物から宮に帰ってきた時、雄朝津間皇子はそのまま一人で、自分の部屋に戻って行った。
それ以降2人は特に話しをする事もなく、今の夕食に至っている。
そんな感じの為、進展する要素はまるで感じられない。
(私ももっと何か努力をした方が良いのかしら。元々皇子の場合は、女性の方から言い寄られる事が多かったらしく、自分の方から動く事は余りしなかったのかもしれない)
とは言っても、忍坂姫も今まで同年代の異性と親しくするなんて事は、そんなに多くはなかった。
だから、その辺の微妙な男女のやり取りの事は余り良く分かっていない。
とりあえず、今日は早いところ食事を済ませて横になろう。
彼女はそう思う事にした。