大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
忍坂姫は、雄朝津間皇子の部屋の前までやって来た。
(とりあえず、お礼だけでも言わないと)
「雄朝津間皇子、忍坂姫です。突然来てしまって済みません。中に入っても宜しいでしょうか」
忍坂姫は部屋の外から、彼に声をかけた。
すると中から皇子の声が聞こえてきた。
どうやら雄朝津間皇子は部屋の中にいるようだ。
「あぁ、そのまま中に入って来て構わないよ」
雄朝津間皇子からそう返事が返ってきたので、忍坂姫は部屋の中に入った。
彼女が部屋の中に入ってみると、彼は普通に部屋でくつろいでいる感じのようだった。
そして雄朝津間皇子の前まで来ると、そのままその場に座った。
「あぁ良かった。やっと目が覚めたようだね。君も今日は色々と気を張っていたんだろう。今俺が見る限りでも顔色は良さそうだし、本当に安心したよ」
そう言って彼はホッとしたような表情を彼女に見せた。
「さっき、伊代乃から聞きました。何でも私が気を失ってから、皇子がここまで運んでくれたそうで。その...有り難うございました」
忍坂姫は、そう雄朝津間皇子にお礼を言った。今回皇子にこんな事をさせてしまった事に対して、本当に申し訳ないと思う。
「まぁ、そこまで大変じゃなかったし。あと途中で日田戸祢の家から出てきた房千嘉とも鉢合わせして、彼には馬を運んで貰ったよ。千佐名との事があったので、彼が進んで手伝ってくれると言ってくれたんだ」
(そっか、房千嘉まで協力してくれていたのね。また今度彼にもお礼を言わないと)
忍坂姫は雄朝津間皇子のみならず、房千嘉にまで助けて貰っていた事を知った。彼にはその後どうなったのかも気になるので、また会って話してみたいと思った。
「はぁ、本当に何から何まで済みませんでした」
(これは何かお礼でもしないと)
「皇子、何かお願いしたい事とかあったらおっしゃって下さいね。今回の事もありますし。その、変なお願い事じゃないもので……」
忍坂姫は以前、何でもするなんて言って散々な目にあった。
「あぁ、ありがとう。また何かあったらお願いするよ。もちろん変な事は言わないから安心して。また君に嫌われたくはないんでね」
雄朝津間皇子は少し苦笑いしながら、彼女にそう言った。
それを聞いた忍坂姫は少し安心した。また皇子に変な事を要求されたら、どうしようかと思ったからだ。
(今自分で言って思い出したわ。あの時は私不意に皇子に口付けられたんだっけ。
当時は酷く混乱していたから、その事については今まで余り考えないでいた)
彼女はふとあの時の事を、急に思い出してしまった。
(とりあえず、お礼だけでも言わないと)
「雄朝津間皇子、忍坂姫です。突然来てしまって済みません。中に入っても宜しいでしょうか」
忍坂姫は部屋の外から、彼に声をかけた。
すると中から皇子の声が聞こえてきた。
どうやら雄朝津間皇子は部屋の中にいるようだ。
「あぁ、そのまま中に入って来て構わないよ」
雄朝津間皇子からそう返事が返ってきたので、忍坂姫は部屋の中に入った。
彼女が部屋の中に入ってみると、彼は普通に部屋でくつろいでいる感じのようだった。
そして雄朝津間皇子の前まで来ると、そのままその場に座った。
「あぁ良かった。やっと目が覚めたようだね。君も今日は色々と気を張っていたんだろう。今俺が見る限りでも顔色は良さそうだし、本当に安心したよ」
そう言って彼はホッとしたような表情を彼女に見せた。
「さっき、伊代乃から聞きました。何でも私が気を失ってから、皇子がここまで運んでくれたそうで。その...有り難うございました」
忍坂姫は、そう雄朝津間皇子にお礼を言った。今回皇子にこんな事をさせてしまった事に対して、本当に申し訳ないと思う。
「まぁ、そこまで大変じゃなかったし。あと途中で日田戸祢の家から出てきた房千嘉とも鉢合わせして、彼には馬を運んで貰ったよ。千佐名との事があったので、彼が進んで手伝ってくれると言ってくれたんだ」
(そっか、房千嘉まで協力してくれていたのね。また今度彼にもお礼を言わないと)
忍坂姫は雄朝津間皇子のみならず、房千嘉にまで助けて貰っていた事を知った。彼にはその後どうなったのかも気になるので、また会って話してみたいと思った。
「はぁ、本当に何から何まで済みませんでした」
(これは何かお礼でもしないと)
「皇子、何かお願いしたい事とかあったらおっしゃって下さいね。今回の事もありますし。その、変なお願い事じゃないもので……」
忍坂姫は以前、何でもするなんて言って散々な目にあった。
「あぁ、ありがとう。また何かあったらお願いするよ。もちろん変な事は言わないから安心して。また君に嫌われたくはないんでね」
雄朝津間皇子は少し苦笑いしながら、彼女にそう言った。
それを聞いた忍坂姫は少し安心した。また皇子に変な事を要求されたら、どうしようかと思ったからだ。
(今自分で言って思い出したわ。あの時は私不意に皇子に口付けられたんだっけ。
当時は酷く混乱していたから、その事については今まで余り考えないでいた)
彼女はふとあの時の事を、急に思い出してしまった。