大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
翌日、忍坂姫は早速餌袋作りに取り掛かる事にした。
伊代乃は、まさか皇女である忍坂姫がそんな物を作るとは、最初とても驚いた。
だが雄朝津間皇子への贈り物と言う事を聞いて、それならばと材料となる細い竹を持ってきてくれた。
幸い竹は宮にもあったらしく、宮の者に事情を説明して少し分けてもらえたようだ。
そして彼女は自分の部屋にこもって、黙々と作業を始めた。
「頑張ったら今日中には出来そうね。折角だし、市辺皇子の分も作って上げよう」
こうして、忍坂姫は順調に餌袋を作っていった。
そんな中、雄朝津間皇子が宮を歩いていると、市辺皇子がブラブラしている所を見つけた。どうも彼は少し元気が無さそうだった。
(うん?あいつ1人でどうしたんだ)
そう思った雄朝津間皇子は、市辺皇子の元にやって来た。そしてそんな元気の無い彼に声を掛けた。
「おい、市辺、お前どうかしたのか?」
すると市辺皇子は、雄朝津間皇子を見て言った。
「今日朝から、忍坂姫が部屋でやりたい事があるって言って、ずっと部屋にとじ込もっているんだよ。何でって聞いても教えてくれないし……」
そう言って、市辺皇子はシュンとした。どうやら忍坂姫に構ってもらえないのが、寂しいようだ。
(忍坂姫が、部屋に閉じこもりきり?)
雄朝津間皇子は思わず首を傾げた。彼女は朝から部屋にとじ込もって、一体何をしているのだろう。
ただ彼女の事だから、普通の姫がやらないような事をしているような気はする。
「まぁ、別に部屋で寝込んでいる訳じゃないんだろう。本人が何かしたいと言ってやっているようだし、しばらく様子を見たら良いんじゃないか?」
市辺皇子はそれを聞いて、とりあえずコクコクと頷いた。
「仕方ないな。じゃあ今日は俺がお前の遊び相手になってやるから、それでお前も機嫌を直せ」
市辺皇子はそれを聞いて、急にはしゃぎ出した。雄朝津間皇子に遊んでもらえるのはどうも久しぶりのようだ。
それから雄朝津間皇子は、市辺皇子とおっ駆けっこをしたり、皇子を肩車したりとして、色々と遊んでやっていた。
すると、気が付けば夕方に差し掛かっていた。流石に遊び過ぎたと思った雄朝津間皇子は、市辺皇子を連れて部屋の中に戻ろうかと思った。
そんな時だった。
彼の目線の先に忍坂姫が立っていた。そして彼女は皇子2人を見つけて、自分達の元にやって来た。
雄朝津間皇子がそんな忍坂姫を見ると、彼女は腕に布で何か包んだ物を大事そうに持っていた。
(一体何を持って来たんだ?)
雄朝津間皇子は、彼女が持っている物が何なのか少し不思議に思った。
伊代乃は、まさか皇女である忍坂姫がそんな物を作るとは、最初とても驚いた。
だが雄朝津間皇子への贈り物と言う事を聞いて、それならばと材料となる細い竹を持ってきてくれた。
幸い竹は宮にもあったらしく、宮の者に事情を説明して少し分けてもらえたようだ。
そして彼女は自分の部屋にこもって、黙々と作業を始めた。
「頑張ったら今日中には出来そうね。折角だし、市辺皇子の分も作って上げよう」
こうして、忍坂姫は順調に餌袋を作っていった。
そんな中、雄朝津間皇子が宮を歩いていると、市辺皇子がブラブラしている所を見つけた。どうも彼は少し元気が無さそうだった。
(うん?あいつ1人でどうしたんだ)
そう思った雄朝津間皇子は、市辺皇子の元にやって来た。そしてそんな元気の無い彼に声を掛けた。
「おい、市辺、お前どうかしたのか?」
すると市辺皇子は、雄朝津間皇子を見て言った。
「今日朝から、忍坂姫が部屋でやりたい事があるって言って、ずっと部屋にとじ込もっているんだよ。何でって聞いても教えてくれないし……」
そう言って、市辺皇子はシュンとした。どうやら忍坂姫に構ってもらえないのが、寂しいようだ。
(忍坂姫が、部屋に閉じこもりきり?)
雄朝津間皇子は思わず首を傾げた。彼女は朝から部屋にとじ込もって、一体何をしているのだろう。
ただ彼女の事だから、普通の姫がやらないような事をしているような気はする。
「まぁ、別に部屋で寝込んでいる訳じゃないんだろう。本人が何かしたいと言ってやっているようだし、しばらく様子を見たら良いんじゃないか?」
市辺皇子はそれを聞いて、とりあえずコクコクと頷いた。
「仕方ないな。じゃあ今日は俺がお前の遊び相手になってやるから、それでお前も機嫌を直せ」
市辺皇子はそれを聞いて、急にはしゃぎ出した。雄朝津間皇子に遊んでもらえるのはどうも久しぶりのようだ。
それから雄朝津間皇子は、市辺皇子とおっ駆けっこをしたり、皇子を肩車したりとして、色々と遊んでやっていた。
すると、気が付けば夕方に差し掛かっていた。流石に遊び過ぎたと思った雄朝津間皇子は、市辺皇子を連れて部屋の中に戻ろうかと思った。
そんな時だった。
彼の目線の先に忍坂姫が立っていた。そして彼女は皇子2人を見つけて、自分達の元にやって来た。
雄朝津間皇子がそんな忍坂姫を見ると、彼女は腕に布で何か包んだ物を大事そうに持っていた。
(一体何を持って来たんだ?)
雄朝津間皇子は、彼女が持っている物が何なのか少し不思議に思った。