月下の少女
「アイツらも、一緒に戦った春陽の仲間だろ?」
仲間…。
同盟の一言で終わらせようとしていた人達を私が仲間と呼んでもいいのだろうか…。
大蛇が警察に拘束されている中、関東連合のメンバーはメンバー同士が肩を貸し合いほとんどが立ち上がっていた。
その表情は誇らしげで、私も思わず笑顔になる。
関東連合のみんなが何故か一斉に私たちの方をみた。
「月さん、ありがとうございました!!!!」
「ありがとうございました!!!!」
“月”
そう呼ばれることに大した意味は無い。
ただどう呼べばいいかと聞かれ、適当に頭文字をとっただけ。
それなのに、こんなに嬉しいなんて…。
「次、ここに来た時は本名で呼ばせてくださいね!」
傷だらけの顔で、笑顔を浮かべるみんなは輝いて見えた。
「眩しいな…。」
「太陽見たいだろ?」
「じゃあ私、死んじゃうね。」
「普通の太陽と違ってあいつらは春陽を壊さねぇよ。むしろ助けてくれるぞ。」
私を壊さない太陽。
それをずっと探していたのかもしれない…。
私は瑞希さんの腕の中で涙を流し。
みんなには到底聞こえない声で「ありがとう」と呟いた。
それから、瑞希さんは私を抱き抱えたまま近くの病院に私を連れて行った…。