月下の少女
伊達に関東連合総長をやってる訳では無いってことね。
「で、私が月下の少女だとして、それが何か関係あるんですか?」
多少動揺はしたが直ぐに冷静に戻り手を動かしながら会話を続ける。
「単刀直入に言う。関東連合に入らないか?月下の少女は暴走族ではないが、春陽には俺らの手助けをしてもらいたい。」
「十分強大な力を持ってる関東連合に、こんな小娘の力なんていりませんよ。第一、私は誰のものにもならず、何にも属さない主義なんです。もし関東連合が危ないときは気まぐれに助けるかもしれませんが、そこまでです。それ以上もそれ以下もない。」
私は全ての善人に対しては平等に、悪人に対しては容赦なく、それがモットーだ。
隠してるわけではないが、出来れば影中春陽=月下の少女という事実は浸透して欲しくない。
私は別に、みんなに知って欲しくて活動している訳では無い。
ただ、一人の人生を少しでも感謝されたいだけ。単なる自己満足だ。
人助けをすると「ありがとう」って言われるし、悪い気はしないから。
「そっか。わかった。それならそれで俺は構わない。そういえば関東連合のたまり場分かるか?」
「分かりますけど…行きませんよ?」
これは絶対来いよって流れになるやつでしょ?