月下の少女
「察しがいいな。1週間後8月15日の朝3時。たまり場集合な。一匹狼の春陽には見たことない景色見せてやる。」
見たことない景色?
「その日だけでいい。必ず来いよ。待ってるから。じゃ、俺も帰って寝るわ。」
断る隙を与えないためか、それだけ言うと周りで酔いつぶれている人たちを置いて総長さんは帰って行った。
総長さんが出ていったドアの隙間から見えた景色は、朝を迎える前、空がやや青白くなり始めていた。
私はドアが閉まるとテキパキと片付けをし、急いで地下の部屋に潜り込んだ。
「3時集合か…。」
タイムリミットは5時まで
2時間…
8月15日だけ。
その日だけ。
そう自分に言い聞かせて、今度はラフな格好に着替えて深い眠りに落ちていった…。