月下の少女
使命
春陽side
目が覚めたのは昼の3時過ぎ。
手のひらをグーパーして動きを確認しつつ自分の存在を確かめる。
「今日も生きてる…。」
地下の部屋には日は差さないが外は太陽が真上にある時間だ。
晴れてるのか雨が降っているのかすらわからないこの部屋は私にとってベストな部屋
この部屋は意外に広くてトイレ、シャワー、洗面台も揃ってる。
キッチンはないけど階段さえ登ればonyxのキッチンがあるし、なんの不便もない。
日が沈むまで何をすることも無くボーッと過ごす。
趣味もなければやりたいことも無い。
それが私の日常だ。
ボーッとするのにも限界があって時折本を読んだりonyxの有線の音楽を聴いたりするが、楽しくもなんともない。
そういうのが好きな人って、主人公とか歌自体に共感して好きになるけど、私にはどれも共感できる部分はない。
友達もいないからずっと一人。
親もいない私には携帯電話もスマートフォンも契約できないし、誰とも会話すらしない日々。
もしスマホとか持ってたらちょっとは暇つぶしできるのかな?って思ったことあるけどきっと大したかわらないんだろうな。