月下の少女
細々としたトラブルを沈めてはまた歩き回りまたトラブルと遭遇するの繰り返し。
キリがないけどやるしかない。
大体はちょっとした世間からのはぐれ者たちによるトラブルだけど、時には暴走族が絡んでることもある。
その時にはその暴走族のトップを正気に戻す以外の方法はない。
それはなかなかの難題でいつも族ごと潰してしまうのが現状だ。
一旦ひとつの族を潰してしまうと騒ぎが収まるのに時間がかかっていつもの活動に支障が出るから本当はやりたくない。
まぁ、仕方がないんだけど。
そんなことばかりやっていると、裏の世界からは嫌われ、正統派には憧れに近い眼差しを向けられる。
それにももう飽き飽きしているところだ。
私はただ、自分が生きてるって感じたいだけなんだけどな…。
淡々と続けている毎日の時間は意外にもあっという間で、気づけば朝方の4時近くになっていた。
少しづつ街も静かになり、路上で寝ているおじさんや帰路に着く人々の姿が見えた。
私もそろそろ帰ろうか。
最後に煌びやかな表通りを目の隅に捉えてから私は店の方へと歩き出した。
代わり映えのしない毎日がこれからも続くことを願いつつ、何か変わって欲しいという自分でも気づかないくらいの小さな希望を抱きながら、また次の日もその次の日も代わり映えのしない日々が続いていった…。